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海芝浦駅 〜海のそばの外に出られない駅〜

歴史

ホームより 鶴見つばさ橋が見える(26.7KB)
ホームより 鶴見つばさ橋が見える
 鶴見と京浜工業地帯のド真ん中を結ぶ鶴見線は、昔は鶴見臨港鉄道という私鉄だった。 貨物輸送を目的としたこの私鉄は、大正15(1926)年に部分開業し、4年後に電化された。 このとき、新芝浦・海芝浦の支線はまだ完成していなかった。 電化され営業されたのは、昭和15(1940)年のことだった。 しかし、3年後に国有化され、鶴見線となる。

路線

 鶴見線は、一時間あたり、平日ラッシュ時に2〜6本、日中・深夜は1〜2本程度走っている。

駅風景

 終着駅である海芝浦駅は三両編成の電車がやっと停まれるようなホームが一つしかない寂しい駅だが、 目の前には海が広がる。鶴見つばさ橋が手に届くくらいの距離にあり、ベイブリッジも少し遠くに見える。 すぐ下も海なので、海の上にある駅といっても過言ではない。
 外へ出ようと、改札のほうへ行く。が、なんと改札がない。 代わりに守衛室があり、ガードマンの人が立っているではないか。 そう、この駅は、東芝の事業所の敷地内にある駅なのだ。 駅の外に出るためには、東芝の社員証が必要で、一般の人は守衛室横の自動券売機で帰りの切符を買い、 駅の中で電車が出るのを待たなければならない。
 さすがに、外に出さずに帰りの切符を買わせて追い返すのはひどい。 という声があり、東芝が自らの敷地の一部を小さな公園にし、一般に開放した。それが海芝公園である。 この海芝公園は、駅に直結していて、開園時間は、9:00〜23:30となっている。 切符を買って、ここで絶えず吹いている潮風にあたって、 ゆっくりと工業地帯の海を眺めている間に発車時刻となるであろう。

まとめ

 公園ができたことで、この駅に訪れる人も増えるのではないのだろうか。 関東の駅百選にも選ばれているこの駅に、是非一度訪れてみては。

参考文献

  • 弘済出版社 「JR全線全駅」(遠藤法利編)
  • 人文社 「駅の旅物語 関東の駅百選」(「鉄道の日」関東実行委員会監修)



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